20080422
ユニバーサルデザイン論大阪電気通信大学 総合情報学部 デジタルゲーム学科 前期開講科目 すべてのひとに開かれたデザインの思考と実践 第02週:04月24日
1)ユニバーサルデザインの考え方と社会的背景■ 商品に対する要求の変化 生産性や経済性を中心とした設計思想から、モノやコトと人間の関係(アクセシビリティ、ユーザビリティ)に視点が移り、人間を中心とした設計思想の重要性が認識されるようになった。 情報化の促進に伴い、モノやコトの多機能化、高度化が進み、利用や操作が複雑化したことに対し、分かりやすさや単純な操作へのニーズが高まっている。 ■ 企業環境の変化 少子高齢化に伴い、高齢者の人口規模、保有財産、購買意欲などが、有望な市場として認識され、高齢者に受入れられる商品開発が必要となってきた。 高齢者や障害者などへのアクセシビリティとユーザビリティに関するこれまで特殊であったニーズへの対応を一般化することが、新たな商品開発の創出につながり、事業上のメリットがあるということが認識されてきた。 ISO13407、リハビリテーション法508条、通信法255条など、国際的なアクセシビリティとユーザビリティに関する規格・法規への対応に、UDの開発プロセスが応用できる。 アクセシビリティとユーザビリティに対する企業の社会的責任が問われるようになり、特定のユーザーだけが使えない、あるいは使いにくいといった差別的な状況を生むことがないよう、注意深い開発プロセスが求められるようになってきている。 ■ 社会環境の変化 高齢化の進展は、多くの先進国における共通する課題であり、その対応においてUDの基本コンセプトが有効である。 権利意識の高まりや国際化の進展は、社会の構成員が多様であることの認識を拡大し、どういった構成員に対しても、公平な社会参加の機会を保障することが求められている。 アクセシビリティとユーザビリティの問題解決が、社会コストの低減につながるという考え方が定着してきた。 こうした背景のもとに、UDの考え方やその実践は、1990年代中頃から急速に拡大してきている。その中でUDは、これまで当たり前であったり普通だと思われていることを再度見つめ直し、だれに対してもより快適であるための意識を促進させる考え方として、社会的認知を確実に高めているといえよう。
2)ユニバーサルデザインのための観察と実験■ UDにおける観察の重要性 日常を注意深く観察し、そこに存在するモノやコトの機能と形態、手順やシステムの現状に意識を向ける。 使用者が使いにくそうにしているモノやコトは、なぜその人にとって使いにくいのか? だれもが快適に使用しているモノやコトは、なぜだれにでも使いやすいのか? 自分自身が不便や不具合を感じるモノやコトを、他人はどのように感じているのか? 自分自身の特性や価値基準を起点に日常に意識を向けても、観察したモノやコトに潜在するUDのポイントには到達しにくい。複数人のグループでそれぞれの特性や価値基準をつきあわせることが有効である。それは、モノやコトの機能と形態、手順やシステムに対して客観的な視点を持つことにつながる。 ■ UDにおける実験の重要性 観察によって得たモノやコトに中に存在するUDのポイントを再現すること、すなわち実験は、UDのポイントの理解に向けて効果的である。 実際にさまざまな環境や状況、身体的特性などを設定し、その実験と実験の観察をふまえて考察に至ることが、UDの具体的デザイン設計の基底を支える要素となる。 ■ グループによる観察と実験 前回授業時に編成したグループ毎に、UDのための観察と実験をおこない、その記録と考察レポートの作成をおこなう。 記録用に、各グループに1セットのデジタルカメラ一式を貸し出すので、代表者が返却の指示があるまで責任を持って管理すること。 |
アクセシビリティ 近づけること、利用できること。 ユーザビリティ 使いやすさ、分かりやすさ。 ISO13407 人間中心設計に関する手続き規格 リハビリテーション法508条(アメリカ) 障害を持った人々の、電子・情報技術へのアクセシビリティの確保を義務付けている。 通信法255条(アメリカ) 電気通信に関わる製造業者やサービス事業者は、機器やサービスを障害者が利用可能なものにすることを義務づけている。 |
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□ グループリスト グループのリストは以下の表の通り。代表者は、学籍番号の前の●印で表記。 グループメンバーの変更がある場合は、代表者が管理するリストに記載し、速やかに報告すること。
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□ 実験内容 以下のような、身体の状況に制限を加えたケースを模擬的に再現することで、UDの観察と実験の重要性に対する認識を深める。 1. 軍手をはめた手で、携帯電話を操作する。 2. 口にくわえたストローで、キーボード入力をおこなう。 3. ティッシュペーパーに小さな穴をひとつ開け、目を覆って通路を歩く。 4. ハンドソープをつけたままの手で、ペットボトルや容器のフタを開栓する。 □ 考察レポート それぞれの状況において、どのような不便、不具合が生じるのか? 「なぜ」「どうして」といった疑問を持つことと、「どのようにすれば」その問題をクリアすることができるのかという見直しを、以下の観点から各自レポートとしてまとめる。 状態の変化によって、どういった問題が生じたか? その問題が発生する要因となっている機能や形態、手順やシステムの現状はどのようなもか? 問題解決のためにどういった機能や形態、手順やシステムの改善が可能か? レポートの提出についての詳細は、05月08日授業時に説明する。 レポート作成に備えて、実験と観察による記録をグループ毎で取っておくこと。
2)学外でのイベント見学
バリアフリー2008 第14回 高齢者・障がい者の快適な生活を提案する総合福祉展 会期および開場時間:2008年04月25日(金)〜 27日(日) 10時 〜 17時 会場:インテックス大阪 〒559-0034 大阪市住之江区南港北1丁目5番102号 高齢者・障がい者の生活を快適にする福祉機器・製品を含めた総合的な福祉情報を発信する展示イベントを、グループごとに見学しレポートとしてまとめる。 レポートについては、グループによる観察と実験のレポートと併せてまとめるので、会場にてメモや写真などの記録を取っておくこと。
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実験の様子
1. 軍手をはめた手で、携帯電話を操作する。
2. 口にくわえた割りばしで、キーボード入力をおこなう。
3. ティッシュペーパーに小さな穴をひとつ開け、目を覆って通路を歩く。
4. ハンドソープをつけたままの手で、ペットボトルや容器のフタを開栓する。 |
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