20071204

ビジュアルゲームデザイン特論

大阪電気通信大学 大学院 総合情報学研究科 後期開講科目

デジタルゲームの中に集約されるビジュアルコミュニケーションデザイン

講義概要

■ デザインを通じて実現されるコミュニケーション

わたしたちの身のまわりにあるあらゆるものは、誰かの手によってデザインされた形体を持って存在する。それらにはデザインを通じてさまざまな情報が視覚化されている。

ユーザは、そこに提示されたデザインから情報を受け取り、望む行為を実現させることとなる。

デザインを通じて実現されるコミュニケーションについて、いくつかの行為を通して観察してみる。

NINTENDO DS「ヨッシーアイランドDS」を、はじめてプレイするユーザがワールド1-1(最初のゲームステージ)とワールド5-7(ゲームステージの後半)をプレイする様子の比較。

電子レンジで調理するレトルト食品・日清Chin「アラビアータ」と「上海焼そば」をつくる様子。

ユーザの学習とメーカーのサービス提供の接点として、ディスプレイやパッケージ上に提示される文字・図形・画像、映像、音像といった情報、ハードウェアに配置されたさまざまな入力装置にメーカー側から発信される情報は割り当てられ、ユーザはそれらをもとにサービスを受けるとともに学習していくこととなる。

開講クラス数:1クラス

開講日時:月曜日・3時限

授業教室:10-102, 304, 314

担当教員:渡部隆志

■ ビジュアルコミュニケーションデザインとは何か

デザインという語は、広辞苑により以下のとおり定義されている。

デザイン【design】

(1)下絵。素描。図案。

(2)意匠計画。生活に必要な製品を製作するにあたり、その材質・機能および美的造形性などの諸要素と、技術・生産・消費面からの各種の要求を検討・調整する総合的造形計画。「建築―」「衣服を―する」

(広辞苑第五版より)

デザインの定義として、現代の状況を的確に表現したものと考えるテキストを以下に紹介する。

デザインとは、人間の創造力、構想力をもって生活、産業、環境に働きかけ、その改善を図る営みと要約できます。つまり、人間の幸せという大きな目的のもとに、創造力、構想力を駆使し、わたしたちの周囲に働きかけ、さまざまな関係を調整する行為を総称してデザインと呼んでいます。

(1989年通商産業省「デザインイヤー」趣旨より)

ビジュアルコミュニケーションデザインは、視角を通じた、情報伝達・意志疎通の、創造力・構想力による設計であり、人間が得る多くの情報は、感覚器官を通じて認識されるが、中でも視覚を通して得る情報は最も大きな割合を占め、その視覚による情報伝達を意図的に操作することが、ビジュアルコミュニケーションデザインであるといえる。

ビジュアルコミュニケーションデザインの専門領域は以下のように分類できる。

印刷系

… グラフィックデザイン(印刷物全般)

… エディトリアルデザイン(雑誌や書籍の編集)

… パッケージデザイン(商品包装)

生産系

… インダストリアルデザイン(工業製品設計)

… プロダクトデザイン(商品設計)

環境系

… サインデザイン(誘導案内の表示)

映像系

… 映像(映画やテレビ放送のコンテンツ)

… Webデザイン(マルチメディアの統合プラットフォーム)

… ゲームデザイン(インタラクティブ性を持ったコンテンツ)

ビジュアルコミュニケーションデザインは、文字・図形・画像、さらには立体や映像といった視覚的要素(情報)の集合体である。

そうした各種情報を統合的に扱うビジュアルコミュニケーションデザインにおいて、コンピュータによる情報処理は、ハードウェアやアプリケーションソフトウェアの進化にあわせて広く浸透してきた。

■ デジタルゲームに見るビジュアルコミュニケーションデザイン

デジタルゲームコンテンツ「MYST」のビジュアルデザインを観察する。

「MYST」は、アドベンチャーゲームソフトのひとつで、3DCGによって作り込まれたビジュアル表現と、ユーザの行動による発見に重点をおいた難解なパズル性が特徴のゲームコンテンツで、Robyn MillerとRand Miller兄弟のディレクションおよびデザインによってCyanで開発され、1993年にMacintosh用のコンピュータゲームとしてリリースされた。

今回は2006年にPSP版として移植されたSEGAからリリースされたものを利用して、そのデジタルゲームの中に仕込まれたビジュアルコミュニケーションについて、観察と気付きの記録をおこなう。

■ デジタルゲームに見るビジュアルコミュニケーションデザイン

前回に引き続き、デジタルゲームコンテンツ「MYST」のビジュアルデザインを観察する。

■ アフォーダンス

アフォーダンス(affordance)とは、空間において、モノとヒトとの間に出現する相互補完的な事態を指す造語として、アメリカの知覚心理学者ジェームズ・ギブソンによって、『生態学的視覚論ーヒトの知覚世界を探る』(1966年)において提唱された造語である。afford(〜を与える・他動)に接尾語-anceを加えて名詞、形容詞化したものであり、次のような性質があるとされた。

… 客観的に計測できる

… 人間の持つ、動作可能性を認知する能力から独立している

… 動作主の能力に依存する

たとえば、「MYST」のステージ上に登場する、謎解きのポイントとして配置されたさまざまな装置は、その形状からユーザのアクションを誘引しているといえよう。それは、モノの持つ属性(形体、色彩、材質など)が、モノ自身をどう取り扱ったらよいかについてのメッセージをユーザに対して発している、とするアフォーダンスの考えに合致したものであるといえる。

あなたはこれらの扉の前に立って、どんなふうに開閉の操作をしますか?

大学学務による会議のため、休講とする。

デジタルゲームに見るビジュアルコミュニケーションの観察と同様に、各自で身のまわりに存在するデザインされたモノの中におさめられた情報に注意を払い、そこから抽出した気付きについての発表をおこなう。

「surface(表面)」と「texture(肌理)」の観点から、発表内容についての議論と考察を展開する。

■ 発表テーマ

01)焦がしねぎ塩(カップラーメン)パッケージ

02)ドアノブの形状

03)シャンプーとコンディショナーのボトル

04)POsCAM(ガム)のボトル

05)リモココロン(ゲームコンテンツ)のゲームデザイン

06)国内外に見る色彩による用途の区別

07)直方体パッケージの面の天地

先週に引き続き、デジタルゲームに見るビジュアルコミュニケーションの観察と同様に、各自で身のまわりに存在するデザインされたモノの中におさめられた情報に注意を払い、そこから抽出した気付きについての発表をおこなう。

■ 発表テーマ

08)PS3の筐体の曲面

09)ガスオーブンレンジのスイッチ

全員の発表終了後、テーマ毎にさらに掘り下げていくための視点や要素について議論をおこない、テーマの追調査についての担当割当について検討する。

先週の追調査対象の決定に沿って、準備された対象商品の調査にあたり、調査項目について議論の上、決定する。

また、調査内容についての分担も決定し、具体的作業にあたる。

各自の調査データを集約。

画像データの補正作業をおこなった上で、再度サーバへのアップロードを、12月03日授業時を目処に実施しておくこと。

次週11月26日は、環境における「surface(表面)」と「texture(肌理)」の収集を目的に、撮影作業を実施する。晴天の場合は、配布したデジタルカメラの充電を完了した上で、10号館玄関に集合すること。

環境における「surface(表面)」と「texture(肌理)」の収集を目的に、撮影作業を実施する。

2人1組となって、四條畷キャンパス10号館を出発地点として、道路上の左右の風景を撮影しながら、JR忍ケ丘駅を目指す。

撮影データは、次回12月03日授業時に集約するので、データを持参すること。

前回の撮影データを集約する。

集約と同時にレビューをおこない、作品展開への可能性についてブレーンストーミングをおこなう。

■ 作品展開へのヒント

01)スライドーショー形式のコマ撮りムービー化

02)立体地図化

03)Flashアニメーションによる疑似3D空間の生成

04)シーケンシャルな画像コラージュによる平面表現

05)色彩と文字情報の抽出と変換による視覚要素の再構成

06)テキストデータのコードセット変更とサウンドへの転用

次週は、ブレーンストーミングをもとに制作環境の中で作品の具体化に向けた検討をおこなうため、10-314デザイン教室に集合のこと。

■ 色彩と文字情報の抽出と変換による視覚要素の再構成

集約と同時にレビューをおこない、作品展開への可能性についてブレーンストーミングをおこなう。

次週は、ブレーンストーミングをもとに制作環境の中で作品の具体化に向けた検討をおこなうため、10-314デザイン教室に集合のこと。

■ 色彩と文字情報の抽出と変換による視覚要素の再構成

10-314デザイン教室において、制作環境の中で作品の具体化に向けた検討をおこなう。

■ 色彩と文字情報の抽出と変換による視覚要素の再構成

10-314デザイン教室において、制作環境の中で作品の具体化に向けた制作を進めるとともに、進行状況の個別チェックをおこなう。

■ 色彩と文字情報の抽出と変換による視覚要素の再構成

すべてのテキストデータをアウトライン化の上、6号館メディアサポートセンターにて、B2サイズでの出力をおこなう。

インデックス2007年度 担当授業の資料ビジュアルゲームデザイン特論

Copyright (C) WATANABE, Takashi / HEAD+HEART, Visual Communication Design Studio. All rights reserved.
Made on a Mac

Mac、Macロゴは、米国およびその他の国で登録されているApple Computer, Inc.の商標です。

Made on a MacバッジはApple Computer Inc.の商標であり、同社の許可により使用しています。

第01週:09月24日

第02週:10月01日

第03週:10月15日

第04週:10月22日

第05週:10月29日

第06週:11月05日

第07週:11月12日

第08週:11月19日

第09週:11月26日

第10週:12月03日

第11週:12月10日

第12週:12月17日

第13週:01月07日

第14週:01月21日

第15週:01月28日

Google

WWWを検索

headheart.comを検索

Apple Store for Education

アフェリエイトプログラム参加中

アソシエイトプログラム参加中

Image